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芸術の秋 国宝の秋

芸術の秋ということで、各美術館が力を入れた企画展が開催される季節です。
今年はなんか「国宝」が展示される企画が多いんじゃないかと思いました。訪問済み・訪問予定の美術展からちょっとまとめてみたいと思います。

「日本国宝展」@東京国立博物館

展覧会の名前の通り、国宝・重文をずらりと並べた展覧会。
正倉院宝物の展示もあります。毎年、奈良国立博物館で「正倉院展」やってますが東京ではなかなかまとめてみる機会ないですから、いい機会です。絶対混雑していると思いますが、なんとか機会を見つけて行きたいと思います。

「京へのいざない」&「国宝鳥獣人物戯画と高山寺」@京都国立博物館

京都国立博物館のダブル企画展。
「京へのいざない」展は京博平成知新館が完成した記念の展覧会。京焼や京都の寺社の所蔵品など京都に縁のある作品が集められています。「ポルトガル国インド副王信書」の絢爛豪華や「聚光院方丈障壁画」の優美さに心ゆくまで浸ることができます。
また、新聞
出品一覧を見るとどうも前期のほうが展示内容が豪華だったようですが、10月第二週までだったようで仕方なし。
鳥獣戯画」展は鳥獣戯画修復記念の展覧会です。鳥獣人物戯画は勿論のこと、高山寺の所蔵する寺宝があらかた展示されていて非常に豪華です。先週訪れたときには、『明恵上人像』『仏眼仏母像』などの国宝が展示されていました。『仏眼仏母像』の線描に惚れ惚れです。
金曜日の夜間会館中は比較的ゆっくり見れたのでオススメです。(翠玉白菜についてそんなこと書いたら、翌週からすごい混みましたが……)

東山御物の美」@三井記念美術館

室町美術に関するかつて無いほど豪華な展覧会です。
室町幕府将軍に愛されてきた唐物・唐絵を中心とした展覧会。室町時代の唐絵の名品がことごとく出品されます。1つあたりの展示期間は短いですが、何度も行けば漏れ無く見ることができるでしょう。
『紅白芙蓉図』『秋野牧牛図』などの博物館所蔵の国宝のみならず、『宮女図』『桃鳩図』などの個人所有の国宝まで抑えています。「展示室4」という一つの部屋にこれらの唐絵は収まっていて、もうこの部屋にいるだけで気持ちが高ぶってくるというものでした。

「御法に守られし醍醐寺」@渋谷区立松濤美術館

松濤にある小さな美術館での展覧会ですが、展示内容はコンパクトながら非常に豪華。
国宝は『閻魔天図』『過去現在絵因果経』『醍醐寺文書聖教』の3点。後半から『閻魔天図』は入れ替えになります。
堪能すべき点は掛け軸の仏画をかなり間近で見れることでしょうか。国立博文館や寺社ではなかなか至近距離では見れない仏画ですが、この展覧会では比較的薄いケースに入っているためへばりつくように鑑賞することができます。
また『過去現在絵因果経』は東京においては東京藝術大学版は比較的頻繁に見ることができますが、醍醐寺版は馴染みがないと思います。全巻展示もあるそうなので、ひとつづきの巻物として楽しむ絶好の機会かと思います。

「名画を切り、名器を継ぐ」@根津美術館

視点が面白いなと思った展覧会です。作成当時の原本とは異なる形で鑑賞され、伝えられている作品を集めています。
床の間と茶道の誕生によって、小品が愛されるようになったためのトリミングや不作為の美を追求するための割れと継ぎを意図的に行うなど、積極的に作品を編集する行為が行われるようになったのは、面白いやらもったいないやら。
佐竹本三十六歌仙絵巻についての逸話は聞くたびに、完品だったらいくらだったのか、国宝になっていたのかなどのIFの想像が膨らむのが面白いところです。
展示される国宝は牧谿の『漁村夕照図』など。この絵も元々は『瀟湘八景図』の一つでした。ほかの7つの場面に思い巡らすのもいいかもしれません。

他にも東京地区だけを概観しても、終了した展覧会で言えば、五島美術館の「秋の優品展」や出光美術館の「宗像大社国宝展」、これからの畠山記念館での「離洛帖」「蝶蝶螺鈿蒔絵手箱」展示やサントリー美術館での高野山展など国宝に指定された名品が東京にワンサカやってきます。
できるだけ見逃さないように頑張らないといけないようで、今年の秋は大変になりそうです。