18回目の感想 平成26年度 文化庁メディア芸術祭@国立新美術館

久々にブログ書きます。久しぶりなので散漫な書き散らし。

文化庁メディア芸術祭が2月15日まで開催されていました。平成26年度で第18回だそうで、もうすぐ20周年です。
ということで例年通り午前中混まないうちから、国立新美術館へ行ってきました。

今年の会場構成は去年とだいぶイメージチェンジ。
去年は国立新美術館2E展示室を仕切りなしで使用し、会場が一望できるようになっていましたが、今年は仕切りを付けて展示ごとのスペースをわかりやすく。
去年のレイアウトも自由に行動できて面白かったですが、今年のようにアート部門やエンタメ部門に大きな装置が必要な物が多いと必然的にこういう会場構成になりますよね。その分仕切り壁に色々なキャプションが飾られていて、作品の情報をより知ることができるので良し悪しです。

アート部門は少しマンネリの感じも。
坂本龍一/真鍋大度の「センシング・ストリームズ―不可視、不可聴」は去年の「Sound of Honda/Ayrton Senna 1989」と見せ方が一緒だなあとか思ったり、Cod.Actは二回目の受賞ですしといったところで。
そんな中で五島一浩「これは映画ではないらしい」に感銘を受けました。
動画が「縦・横・時間」の三次元から構成されるものであることを初めて意識しましたし、その中で「横」の軸で切断・復元していくことで世界を動画化するときにどれだけの情報が落ちていっているのかというのを初めて意識しました。世界を直接見ることと動画を通してみることの違い、それは視覚においてさえ存在しているということに改めて思い至ります。
アート部門新人賞は3作品中2作品がバイオとテクノロジーを結びつける試み。「Symbiotic Machine」なんかはエンタテインメント部門でも通用しそうな面白装置で実際に動いているところを見てみたかったです。
それと毎年おもうことですがアート部門は「メディア芸術」を対象にしていますが、「メディア・アート」とは違うんですかね。その辺がいまいち不案内。

エンタメ部門に関しては既に実績十分な「Ingress」「のらもじ発見プロジェクト」が受賞していて、芥川賞的な役割の変化が出てきたかなあと思ったり。
他に「Auto-Complain」や「handiii」などスマートフォンを利用してテクノロジーを安価に・身近にという方向性が顕著なんでしょうか。
どちらにしてもメディア芸術祭が注目してきた分野がいよいよ成熟してきたのかもしれません。最新のテクノロジーをお見せしましょうという感じは年々薄れていくのかも。
九州の伝統産業とアイドルをコラボさせた「5D ARCHIVE DEPT.」では、Twitterで時々見かけるLinQさんが登場していて少しビックリ。
それとこの部門、昔はコンシューマゲームがメインだったと思いますが今はすっかり脇役に落ちている感じがします。「Ingress」だとかゲームアプリに取って代わられた感が。

アニメーション部門・マンガ部門については毎年日本の作品と海外の作品を対比しながら見る良い機会になっています。
アニメーション部門は国内作品についてわりとエンタテインメント系からも取り上げますが(今年だったら「たまこラブストーリー」「クレヨンしんちゃん」)、海外作品は徹底して芸術性の高い作品という印象。賞選考の対象を選ぶ時点で差があるのかもしれませんが、海外のエンタテインメント系アニメってどういう状況なんでしょう。ディズニー一択ということもないんだろうけど。
この部門は長編や推薦作品は基本的に六本木シネマートが中心だったようで会場ではざっくりとした紹介。

マンガ部門沙村広明春風のスネグラチカ」は買おうと思っていたのをすっかり忘れていたことを思い出した(笑)
近藤ようこ「五色の舟」も休憩スペースでさわりを読みましたが、派手さはないのに引き込まれる感じ。続きを読みたい。
原作者の津原泰水さんについても「ルピナス探偵団」のみ読んでいましたが、「11 eleven」も読んでみよう。